エネルギーをめぐる状況
我が国において
「エネルギーをどうするか?」という
テーマは極めて重要です。
1985アクションはこの問題意識を
根幹に据えた運動です。
日本のエネルギーに関する課題
まずは日本におけるエネルギーに関連する状況について概観しようと思います。
日本の2013年における一次エネルギー消費量は世界第5位であり、小さな島国であるにもかかわらずとてつもなくたくさんのエネルギーを使っていることがわかります。しかも、エネルギー自給率(一次エネルギー自給率)は4%ほどしかないため、石油、石炭、天然ガスなどのエネルギー資源の輸入が止まったり、その価格が大幅に上昇すれば、たちまちこの国の経済や暮らしは立ち行かなくなります。もちろんそうならないための様々な施策が行われていますが、エネルギー資源の確保に関して脆弱であることは間違いありません。エネルギーを量的にも価格的にも安定的に確保していくことは、我が国において極めて重要な課題だということです。
世界の一次エネルギー消費量 国別ランキング
順位 | 国名 | 2013年 |
---|---|---|
1 | 中国 | 126,001 |
2 | 米国 | 91,622 |
3 | インド | 32,466 |
4 | ロシア | 30,601 |
5 | 日本 | 19,035 |
6 | ドイツ | 13,300 |
単位:千兆ジュール
再生可能エネルギーへのシフトと省エネルギー

エネルギーの自給率を高めるために原子力発電の導入が始まりましたが、近年では地球温暖化対策の重要なカードとしても位置づけられています。しかし1986年に起きたチェルノブイリ原発事故でも福島原発事故でも明らかになったように、原子力発電は極めて大きな危険性を抱える発電方法です。また原子力発電所の事故だけでなく、放射性廃棄物の保存処理が未解決という根本的な問題を抱えています。
こうした状況の中、エネルギー自給率の向上、地球温暖化対策など我が国が抱えるエネルギーに関連する課題を解決するためには、再生可能エネルギーへのシフトと省エネルギーが大きな2つの両輪になります。再生可能エネルギーへのシフトが“攻め方を変える”ということだとすれば、省エネルギーは“守りを固める”といった位置づけでしょうか。たとえばサッカーでいくら得点力を上げたとしても、守備がザルで失点も多いと結局は負けてしまいます。守り(省エネ)は地味な印象がありますが、チームを勝利に導く(適切なエネルギー社会をつくりあげる)には間違いなく不可欠です。
