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1985家族の実例
1985 FAMILY

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赤城おろし吹き下りる、群馬県Mさんの省エネDIY実験室

芋蔓のグリーンカーテンに、蝋の湯たんぽ・・・
そこはさながら省エネDIYの実験室でした!
1985 ACTION NAVI41%

1985家族2軒目のご紹介は群馬県佐波郡のMさんご一家。
共働きのご夫婦とお母様、社会人の娘さんの4人で暮らしています。
ご主人は日ごろ環境や省エネルギーをお仕事にされているという事で、
Forward to 1985 energy life主催の暮らし省エネマイスターの資格者でもあります。

Mさん出演のFMラジオ番組『エコエコ&ハッピーライフ』blogはこちら

プロという事もあり「バリバリに設備武装したお家なのでは?」と勝手に想像していたのですが
伺ってみるとそこはまるで"省エネDIYの実験室"!
住みながら、楽しみながら、心地よく省エネになる方法をたっぷりお伺いしてきました。

建物・敷地のポイント

関東平野の中でも”赤城おろし”と呼ばれる冷たく乾いた強風が吹く地域。
お伺いしたこの日も、寒いながらもキリっとした空気が気持ちよく、道中車を停めて撮影したのが冒頭の写真です。

敷地は住宅地の中ではありますが、南側と西側が開けていて風や太陽の影響を受けやすい条件なので
家をつくる時はこの南側と西側にどんな工夫をするかがキーになりました。

■南側
冬は日射を多く取り入れ、暖かさと明るさを得られるよう、建物は南北に正対して配置されています。
更に、直接部屋に入ってくる光だけではなく、デッキに当たった光が反射して部屋の奥にまで届くよう、
ウッドデッキの上には反射材が敷かれていました。もうこの時点でこんな家見たことない・・
この反射材のお陰で、昼間は照明が必要ないぐらいリビング中ほどまで明るさが届けられていました。

夏には陽を遮る為、デッキ上部のパーゴラに芋蔓を這わせているそう。(もちろん芋は収穫)
グリーンカーテンはゴーヤや朝顔だけじゃないんですね。
確かに、ゴーヤって食べ過ぎると夏の終わりには飽きてくるし、
収穫しないと黄色くなってべチャっとしちゃうんですよね。早速勉強になりました!

■西側
冬は赤城おろしが吹き下り、夏は西日が直接当たって壁や窓を温めてしまうため
ご主人がDIYで”塀”兼”パントリー”を作成されていました。
大きな空気層のようなものですね。ごみ箱の造作もご主人によるもの。芸が細かい。
色はもちろん、光を反射するために白いペンキで塗られていました。
パントリーの屋根は半透明の波板を使っていて明るい雰囲気。
こういう空間がキッチンの横にあると本当に便利ですよね!

南側のデッキには反射する材料を敷いて、室内まで導光している。上部のパーゴラは夏の日よけで芋蔓を這わせるためのフレーム。白いボックスは芋の植え付け用。
ウッドデッキの反射材からの光がリビングの天井面を明るくしている。日中は自然光で十分に暮らせる明るさ。
西側には勝手口からつながるご主人自作のパントリー。日よけ・風よけ・収納の機能を備えている

リビングでの工夫

伺った冬には暖かさと明るさを得るために、南面のカーテンは全てオープンにして暮らされていました。
計画当初からこうしたパッシブな暮らしを想定していたので、南側の庭を広く取り、隣家との距離を取っていたんですね。

この効果を最大限に引き出すために、南側の窓は幅も高さも広めにとられています。

リビングに限りませんが、Mさんのお宅にはあちらこちらに温湿度計が置いてあります。
なんでも「1年を通して15℃~30℃で暮らそう」と決めているのだそう。
暑い・寒いを無理しすぎず、冬15℃を下回ったら暖房をつける、夏30℃を上回ったら冷房をつける。
こういった事をあまり意識しないと、朝起きたら暖房をつける、何時ぐらいになったら冷房をかけるという
クセがついてしまい、不必要な冷暖房を使ってしまうんですよね。

今のお住いに移ってから「かかとのガサガサがなくなった」そうですよ。
暖かいとか、湿度が安定しているって、こういう小さな喜びに繋がるんですよね。

リビングとダイニングキッチンは同じ一部屋なのに、ちゃんと各々温湿度計が置かれています。
外気が13.3℃の中、エアコンはつけずに午後1時頃で18℃でした。この温湿度計は外気温と室温が同時に測れるタイプなので、夏外が涼しくなったかも、窓を開けずに確認できます。

家電の工夫

普段、ご夫婦と娘さんはお仕事に出られていて、お母様もデイサービスに行っていることが多いので
テレビやヒーターをつけっぱなしという事はほとんどないそうですが、
家電を新調されるときはしっかり省エネ型を選択しているそう。
以前冷蔵庫を買い替えた時は電気代が半分に減ったそうですよ!
冷蔵庫は24時間365日使い続けるものなので、その効果は絶大です。
また、夏以外の季節は設定温度を弱にするという細やかな気配りも忘れません。

普段テレビは録画しておいて、ストレッチをしながら、CMはカットして見ているそう。
これなら体も温めながら最小限の電気でリラックスした時間を過ごせますね。

普通のお宅では色々貼ってあるのがお約束の冷蔵庫・・・何も貼っていないのは、放熱を妨げない為だそう。壁との隙間を作るのはよく聞きますがここまでされているのはさすが!

台所での工夫

やはり、Mさんのお宅でも見つけました、圧力鍋と保温調理器!
第1弾でご紹介したKさんのお宅も圧力鍋を使用されていましたね。
1985家族のお宅は「いい鍋を使って、賢く調理」が鉄則のようです。

また、ご飯は1日1回だけ炊飯し、保温はせずに電子レンジで加熱して食べているそう。
「保温はしない」も1985家族の特徴ですね。

時間のある休日にはソーラークッカーも使用するそうですよ。

やっぱりありました!保温調理器!
何と家の北側にはご主人お手製の”ムロ”まで・・いろいろ試行錯誤されているそうです。

給湯の工夫

給湯器はエコジョーズを使用されているそうですが、太陽熱温水器を設置されています。
夏はこの太陽熱温水器からのお湯だけでほとんど賄えているそうです。
ただ、冬は想定していたよりも採熱できていないので、太陽熱温水器は6㎥のものにしたらよかったと
おっしゃっていました。4人家族の方は参考にされてください。

冬の6.7㎥も相当少ないですが・・・
夏は1.3㎥!


Mさんのアクションナビはこちら

エネルギー合計消費量の結果
電気消費量の結果

省エネに関するアンケートから

1985アクションナビに入力してみての感想・入力後に変わったことはありますか?
工夫・努力した結果が見える化されてうれしかった。
冬の使用量が夏の2倍近いことに問題意識が生じた。
省エネに向かって今後しようと思っていることはありますか?
・冬のエネルギー消費を削減する為、更なる採熱の余地を探っていきたい。
・車の買い替え時期が近いのでPHV(プラグインハイブリッド自動車)又はEV(電気自動車)による
ビークルtoホーム(電気自動車やプラグインハイブリッドカーのバッテリーに蓄積した電気エネルギーを
家庭で消費すること。)を検討している。
・冷蔵庫は3年後ぐらいに買い替えを検討したい。
・第3種換気なので、いずれは第一種熱交換換気を導入したい。
・スマートメーターとHEMSの連携やデータ活用を図りたい。
・倉庫屋根に太陽光発電(4kW)を設置予定。
ウォンバットハットリが見た
省エネポイント

感想にも書いて頂いた通り、「工夫・努力」がすごい!過去に住んでいた家からの改善点をしっかりと建築に生かしつつ、建てた後にご自身でも試行錯誤されている姿勢に大変感動しました。記事で書ききれなかった工夫もたくさん。(ロケットストーブや、蝋のような素材を太陽熱で温めて湯たんぽにしたり、西側の壁面に自作ソーラーウォールを作ったり・・・)よく聞く「娘が協力してくれない・お湯出しっぱなし」問題も、設備面でしっかりクリアされていました。家族内であまり口うるさく言うのも・・・という声をよく耳にしますが、そういう時は賢く設備に頼れば、家族喧嘩もなく、快適・省エネに向かえるんだという事を学びました。今後しようと思っていることも興味深いものばかりで(実験は止まらない・・・)また数年後に是非お伺いしてみたいです。Mさん、貴重なお時間ありがとうございました!

詳細データ
住所群馬県佐波郡玉村
構造木造2階建て
(熱的優位性の為総2階)
竣工2013年
断熱屋根:屋根断熱+遮熱
壁:発砲ポリウレタン断熱
床:基礎断熱
窓:東西面 遮熱Low-Eペアガラス、南面 普通ペアガラス
設備給湯:エコジョーズ+太陽熱温水器(4㎥)
発電:太陽光発電5.5kWh
風呂残り湯のトイレへの活用システム
照明:すべてLED
HEMS設置
暖冷房エアコン 1・2階に1台ずつ
こたつ・コアヒートセラミックヒーター・扇風機
余談
エネルギーミックス、どうする?

国の課題としても大きく取り上げられる”エネルギーミックス”。 石油、石炭、ガス、太陽光、水力、原子力、、、様々なエネルギー源がある中で、 何をどれぐらいの割合で買い、作り、使うかを考える事は国の重要な仕事です。 そして、私たちの家庭においてもそれは同じこと。 オール電化にするのか、電気ガス併用にするのか、暖房は何でするのか、 最近は”オフグリッド”と言って、電気会社から電気を買わずに、自家発電だけで生活しようという人も 現れてきました。 今回取材させて頂いたMさんのお宅では、太陽光発電もしているし、LPガスは光熱費が高いので オール電化にすることも考えられました。 でもMさんのお宅では電気とLPガスをミックスして使用しています。 東日本大震災を経験し、復旧速度が早いLPガスを導入しておくことで 万一に備え、その分多くかかる光熱費は太陽光発電の売電で賄う。   さぁ、みなさんの家のエネルギーミックスはどう考えますか?

PHOTO GALLERY
南側外観とご主人
自作のソーラーウォール’改良の余地あり)
以前は残り湯をバケツで2階のトイレまで運んでいたことからニックネームがついたそう
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太陽で蝋のような素材を温めて湯たんぽに
これが中身
自作のロケットストーブ
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